。それでも,一応,脳波制御でゲームができる(ゲームになっているかどうかはともかく)ことは確認できた。 NIAが実際のゲームに使えて,脳だけで操作できるかというと,いくつか課題が残る。まず,もう少しスイッチングに使える要素がほしい。現状では,2要素(筋電位と脳波)の制御がせいぜいだ。眼球の動きはついに制御できなかった。せめて普通の人が恣意的に操作可能な(扱いやすい)制御基準がもう2,3種類ほしいところだ。 次にドライバの問題。ご承知の人も多いだろうが,ゲーム側で怪しいドライバが入っていると起動しないというものも多く,マウスやキーの制御を乗っ取る見るからに怪しそうなデバイスドライバが入っていると使えるゲームは限られてくる。NIAでは,NIAのコンフィグレーションに実行ファイルを指定して,NIAのコントロールプログラムからゲームを起動するという方式になっており,試したところオンラインゲームのいくつかはまったく起動しなかった。このあたりは,NIAの知名度が上がれば解決する問題かもしれないが,より一般的な実装法が求められる。 そのほか,ゲーム中の状況によって,キャリブレーション時のベースラインからかなり信号レベルが変化してしまったり,焦るとコントロールできなくなったりといった問題もある。 PC近くのノイズの例 ちなみに,ヘッドバンドを頭から外すとどうなるかというと,なにかの波形を拾っているのは確かである。環境にもよるだろうが,動作中のPC周辺には電気ノイズはかなり多く,それらも拾われているのは間違いない。誤動作に対する対策も必要だろう。 NIAの可能性 慶應義塾大学の実験 なんとなく夢の世界であった脳波コントロール,アイオン RMT。まだ始まったばかりとはいえ,市販品として脳波コントロールデバイスが入手できる時代になってきた。 現状のNIAは,普通のゲームでコントローラとして使うには難の多いデバイスだが,まだまだ第一世代の製品にすぎず,ディアブロ3 RMT,今後の展開に期待したいところだ。トリガー1個だけに限れば,かなり確実な動作(実用レベルで)も期待できる。 NIAの発展形で,より簡単に,より多彩に使いこなせる機器が出てくれば,PCのインタフェースも大きく変わっていくことだろう(まあ,PCよりも携帯型デバイスに向いている気もしなくはないのだが)。 とくに手足が動かせない人でもPCを操作できるインタフェース,いわゆるイネーブルウェアとしての可能性は非常に大きい
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