。例えばPlayStation 3なら,何のための据え置き機なのか,PlayStation Vitaなら,何のための携帯機なのかって。 : そのあたりの思想なりがあいまいだと,「とりあえず普及しているもので!」という短絡的な決断になってしまうのかもしれません。もちろん,個々の苦労はあるんでしょうが。 名越氏: だからそこの線引きなり割り切りなりというのは,今のクリエイターに凄く問われている部分だと思いますよ。 : スマートフォンが良い悪いとか,そういう話ではないんですよね。どのプラットフォームにどういう潜在的なプレイヤーがいて,彼らが何を求めているのかを考える必要があると。 名越氏: 一つのプラットフォームに収まっていけば,僕らも集中できるから,いいと言えばいいんですけどね。でも,サービスが広がっていくからには,僕らもそれに追いついていくしかないんです。 ただ,追いついていくことばかりが頭にあると,一つ一つの対応が希薄になってしまうので……どこかで最終的な取捨選択をしないといけないのは確かでしょう。 “暇つぶし”以上の何かを,遊んでくれた人に返したい : 取捨選択の判断基準も,ある程度は柔軟にしていかないと厳しい時代ではありますよね。何が受けるか分かりづらいという意味で。 名越氏: 完全にそうですね。ある端末で何かが受けているからといって,それを無理やりほかの端末に移植しようとなっても,アイオン RMT,それが向いていることもあれば,向いていないこともあります。 例えばセガでは「」をサービスしていますけど,どんなに努力をしても携帯電話版は携帯電話版以上のものにはならないので,それを「龍が如く」と呼んでいいのか? というのは,凄く悩みましたし。 : キャラクターなり世界観なりが同じであれば,同じシリーズの名前を背負っていいのか? というのは,おそらく各社が悩んでいることでしょう。 名越氏: ただその中で,僕は現存しているものはすべて消えてほしくないし,成立させるためにはどうしたらいいか? というのを考えるんです。主にそのことを,メイプルストーリー RMT,プラットフォーム側の方とも話すんです。そこでビジョンを共有して,プレイヤーに何を届けるのかを一緒に考えてから,リリースするようにはしています。それしかないですから。 というのも,僕らがプラットフォーマーに何かを押しつけるわけにはいかないんです。彼らが望んでいるものと違う方向性のものを,僕らが無理やり押し通したって,うまくいかないんですよ
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